新型コロナウイルスの感染が拡大しています。
私の暮らすオーストラリアでは、3月下旬の海外渡航禁止令、州境封鎖(クイーンズランド州在住)に続き、必要不可欠でない外出は禁止となりました。
つまり事実上のロックダウン。
どうしてもという理由がない限り、身内の家すら訪ねることもできません。
自分の家族、高齢者や体の弱い人を守る為に、オーストラリア中の人々が自覚を持ち外出を自粛しています。
人々の外出自粛が功をなして、1日の感染者数は減ってきてはいるものの、感染者数は4月9日現在で6103人。
まだまだ油断はできません。
明日からのイースター休暇に気を緩めないようにと、政府から個人の携帯電話にメッセージも届いています。
このイースター休暇は、家に引きこもり、
命を救うことに協力してください。
外出できるのは必須の用事、運動、仕事、医療看護のみ。ーオーストラリア政府よりー
簡潔なメッセージの中に政府の本気度が伝わってきます。
オーストラリア、クイーンズランドにて体験中の、”ロックダウン生活”とは実際どんなものか、大まかに紹介したいと思います。
外出禁止”Stay home”中だけど、外出していい場合が四つ
外出禁止”Stay home“と言われていても、以下の4つの理由に当てはまる場合のみ、外出が認められています。
- 生活必需品の買い出し
- 在宅でできない仕事、学校
- 健康維持のための制限内での運動
- 医療看護
閉鎖、制限されていることと罰則
クイーンズランド州での新コロナ対策、規制についてはこちらを参考にしています。
クイーンズランド州における外出禁止について知っておくべきこと(abc news)
現在閉鎖されているのは以下の施設です。
- 映画館、遊園地、ゲーム、カジノ、パブ、クラブなどの娯楽施設
- 公園の遊具場、公共のBBQ、スケートボード場
- 博物館、美術館、図書館などの公共施設
- ヨガ、テニス、サッカー、プール、ジム、その他のあらゆるスポーツ施設
- 教会
- 不動産の下見、オークション
- タトゥー、エステ、ネールサロン
制限されていることは以下の通りです。
- 飲食店はすべて持ち帰りのみ
- ビーチへ行くのは運動目的のみ。のんびりビーチで座っているのはダメ(QLD州では4月9日現在、ゴールドコーストThe Spit, Coolangatta、 Surfers Paradiseの3箇所は閉鎖中です)
- 同居家族以外との集会は二人まで(自分ともう一人)
- 認められている外出理由以外のドライブ
- 結婚式の参加は5人まで
- お葬式の参加は10人まで(例外あり)
全ての行動において必ず守ることは
コロナ対策のいろいろな制限の下、私たちが生活する上で一番注意しているのが
social distancing:人と人との距離を置くこと(オーストラリアでは最低1.5m)です。
同居家族以外とはいかなる場合にも1.5m以上の距離をあけなければいけません。
制限を守らなかった場合の罰則
政府からの新コロナ対策の制限を守らなかった場合、クイーンズランド州では最大$1334の罰金が課せられます。
外出時の緊張
私の場合、ロックダウン下で家の外に出るのは、毎日30分の犬の散歩と、週に一度の食料品の買い出しのみ。
散歩と買い物。そんな当たり前の行動が平常とは違って緊迫しています。
犬と歩道を歩いている時に向こうから人が来ると、すれ違う時には1.5mの距離を取らなければいけません。
狭い場所だと、犬を押しやり塀に張り付き、まるで忍者のよう。
通常なら見知らぬ人とさえ多少の会話を交わすのですが、今はせいぜい会釈ぐらい。
人と接したくない時勢なので、お互い笑顔もなく厳しい表情でさっと通り過ぎます。
買い物の状況ですが、介護が必要な場合以外は、一人での買い物が奨励されています。
どの店もsocial distancingの為に入店の際に人数制限をしています。
入店する際には、まずハンドル部分を消毒したカートを渡され、店の入り口に設置してある除菌ジェルで自分の手を消毒して入店。
店内には平常の和やかさはありません。
誰もがさっさと目的のものを矢継ぎ早にカートに入れ、会話を交わしている人など皆無。
通路で買い物客同士がすれ違う時には、お互いがめいいっぱい両端に避けます。
私はなるべく通路で重ならないよう、ゲームのように、人の居る通路は避けながら買い進んで行くようにしています。
レジに並ぶ時にはしっかり1.5mあけるよう、立ち位置に大きなシールが貼られています。
自動レジは、間隔をあけるように一個おきにしか使えないようになっています。
オーストラリアはクレジットカードを機械に軽く触れるだけで支払いができるので、衛生面で安心です。
いろいろな制限が出されている今、人との接触には誰もが神経質になっている現状です。
大袈裟ではなく、買い物中に人とのトラブルなしに無事に家に着くとホッとします。
我が家の生活ぶり
我が家の夫の仕事は在宅ではできないので、普段どおり出勤しています。
大学生の息子は前半期(6月下旬まで)すべて、大学の閉鎖が決まりました。
授業も試験もオンラインになり、1日のほとんどは自室で勉強。
私は趣味のテニスが当分の間は中止、友達とお茶する些細な楽しみも今はとんでもない。
近所の数少ない日本人の友達とは定期的に電話の弾丸トークで、安否確認とストレス発散をしています。
あとは引きこもりを機に、庭仕事(ガーデニングというしゃれたものではない)と家の掃除に力を入れています。
もちろん、こんな不安な世界情勢なので日本の家族とは毎日のように連絡を取り合っています。
国際電話かけ放題プランで助かりました。
まとめ:とにかく引きこもる。日本の人たちも真似して!
新コロナウイルスに対して、早め早めの的確な指示で在住民を守ってくれているオーストラリア政府。
今私たちにできるのは、政府からの制限を守り、とにかく引きこもることです。
オーストラリアでは、子供も若者も大人もみんな行動を自粛して頑張っています。
イースター休暇は日本のお盆のようなもので、家族みんなが集まって和やかに過ごすのが一般的ですが、今年は違う形になります。
1日も早く平穏な日常に戻れるよう、何よりも普通に日本へ帰国できるよう、まだしばらく引きこもります。
日本でも4月7日、ついに「非常事態宣言」が出されました。
日本にいる家族、友人の話を聞くと、それでもなお、東京の至る所でけっこうな人出が見られるようです。
日本の両親が心配でたまらず、朝から晩まで日本のネットニュースばかり見てしまいます。
どうか海外の自粛を参考に。
日本での感染が拡大しないことを心から願います。